2008年2月 5日 (火)

ロウエル・ジョージ「特別料理」

Thanks_ill_eat_it_here 久しぶりの更新になりますが、またちょこっと書きたくなったので、何事もなかったように、さりげなく綴ってみます。
とはいえ、ココログ自体の使い方をすっかり忘れていたのには参りました。
かなりの時間を要した末、なんとかこうしてUP出来そうですけど、ホント人間って忘れっぽい生き物だったんですね・・って、そんなの私だけ?

で、今回のネタは、リトルフィートのリーダーでギタリスト、今は亡きロウエル・ジョージが唯一残したソロアルバム、「Thanks I'll Eat It Here」(邦題・特別料理)なんですけど、久しぶりに書くネタがこんなに渋~く地味~(?)なアルバムでいいものかと思いつつ、作品の出来の良さには絶対に胸の張れるものだし(お前が張ってどうする・笑)ネットでちょこっと検索してみたら、最近になって紙ジャケで再発されてたんですねえ。

実は正直なところ、久しぶりの更新で、あえて渋いところを狙ったつもりだったのですが、再発によってアルバムへの関心も高まっているとしたら、今こそこの作品を取り上げなければ・・・むしろ我ながら、なんてタイムリーな企画なんだろう・・と(笑)。

そんなわけで改めて注目したいこのアルバム、最初は私自身、「あのリトルフィートの・・・」という先入観を持って聴いたために、やや意外な印象に少なからず戸惑いを覚えたのは事実です。

いきなり冒頭から小洒落たAORサウンドが飛び出してきて、なんだかボズ・スキャッグスあたりでも聴いているかのような気分になりますが、それもそのはず気がつけば、このアラン・トゥーサンの曲は、ボズもカバーしているんでしたっけネ。

その他の曲も、リッキー・リー・ジョーンズのジャジーな曲を取り上げたり、あえてリトルフィートの曲をラテン調にセルフカバーしたりと、フィートとは一味違った音作りが展開されていて、

「あれっ、この人って、こんな音楽もやるんだ・・・」

と思ったものですが、どの曲も洗練されたアレンジで見事な完成度に仕上がっていて、このアルバムではギタリストよりも、サウンドクリエイター、プロデューサーとしての才能が遺憾なく発揮されている感があります。

そう考えるにつれ、今さらながら、このファースト・ソロのプロモ・ツアー中に帰らぬ人となってしまったことが本当に惜しまれます。
以前から今でも、彼をトリビュートするミュージシャンが多いことはよく知られ、もし生きていれば、その後も数多くのアーティストをプロデュースし、数多くの名作を世に送り出していたであろうことは容易に想像できるし、もちろん彼自身もアーティストとして、この秀逸ファーストに続くアルバムを聴かせてほしかった。(ただしリトルフィートとして続けていくのは、もう無理があったかも・・・)

しかしドラッグに溺れながら、それでもロウエルはこうして一粒の宝石を我々に残してくれました。
今はただ、この宝物を大切に聴き続けたいと思います。

ところでもうひとつ・・このアルバムの現行CDを何気なく買って聴いてみたら、彼がプロデュースしたヴァレリー・カーターのアルバムの中の1曲、「ハートエイク」を、ヴァレリーとデュエットしているデモ・バージョンがボーナストラックとして収録されていたのには驚いてしまいました。
こんなところでヴァレリーの声が聴けるとは・・・思いがけずうれしいサプライズだったのでした。
ちなみに先に述べた紙ジャケの再発盤にも、このボーナストラックはしっかり収録されています、めでたし、めでたし。

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2006年12月14日 (木)

トム・ペティ「フルムーン・フィーバー」

Full_moon_fever トム・ペティ&ハートブレイカーズといえばアメリカでは確固たる地位と人気を誇るバンドとして厚い支持を得ていますが、グループを率いるトムが、初めてソロ名義で出したアルバムが「フルムーンフィーバー」。

プロデューサーとしてジェフ・リンを迎えていることからも、ある程度「売れ線」を意識したのかどうかは分かりませんが、少なくともハートブレイカーズでのサウンドとは一味違った仕上りとなっています。

バックの演奏が全体にまろやかな印象を受けるのは、ジェフ・リン効果でしょう。
ソロアルバムだから当然かも知れませんが、トムのボーカルが際立っており、私としてはこのアルバムは、グループ名義のものより気に入っています。

男の私が聴いても、かなり色っぽい歌い方をする人だなと思わせるトム・ペティ。
シングルにもなった「アイウォントバックダウン」での、余裕すら感じさせる渋いボーカルもGoodですが、彼の表現力が遺憾なく発揮されているのが、アルバムの中では、どちらかというと地味な存在の「フェイスインザクラウド」。

淡々とした曲調ながら、哀愁を帯びたボーカルが、映画を観ているようなドラマチックな世界を展開していきます。
まるで架空のプロモビデオが頭の中に思い浮かぶようです。

ところでこのアルバムは1989年のリリースなので、すでにCD時代の作品なのですが、あたかもアナログ盤のA面、B面に分かれているような構成になっていますね。
そしてB面の1曲目にあたるのがバーズのカバー「すっきりしたぜ」です。

そもそもバーズというグループは、イギリスのビートルズに対するアメリカからの回答とも言われますが、そのバーズの曲をビートルズフリークとしても知られるジェフ・リンがプロデュースして・・・。

そう考えると、この曲以降のアルバム後半には、ビートルズの影を感じずにはいられません。
それらの曲はまさに「アメリカ発マージービート」って趣きなんですよねえ。
その辺にこのアルバムのコンセプトが見えて来ますし、このアルバムがハートブレイカーズを離れ、初のソロ作品となったことは、そういう意味でも必然だったのでしょう。

元々、トム&ジェフがこのアルバムについて打ち合わせしているところへジョージ・ハリスンがやって来たのが「トラヴェリングウィルベリーズ」結成のきっかけになったとのことで、リリースの順こそこちらが後になりましたが、このアルバムが「トラヴェリング・・・」の元ネタとなっているようですね。

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2006年11月28日 (火)

スティービーワンダー「ミュージックエイリアム」

Original_musiquarium 先日のクラプトンを観に行って思い出したコンサートネタをひとつ。

高校生のとき、スティービーワンダーが来日するっていうんで、友人のI君が、一緒にコンサートへ行こうと私を誘ってくれたんです。
私はそれまで、そのような海外の一流アーティストのコンサートなど一度も行ったことがなかったのですが、スティービーワンダーといえば一流も一流、そんな大物アーティストの生ライブ、滅多に観られる機会はないかも知れません。

「スティービーワンダーか・・・観に行って損はないかも・・・」

そう思い、当時のチケットはA席でも(S席じゃないですよー)たしか6千円ぐらいだったと思うのですが、高校生としては決して安くはないそのコンサートに、思い切って行くことに決めたのです。

しかしながらその頃の私は、偉大なミュージシャンとしてスティービーワンダーを認識してはいたものの、彼の音楽をそれほどよく知っているわけではありませんでした。
超有名な曲をほんの数曲、聴いたことがあるだけだったんです。

そこでコンサートまでに少しでもスティービーの音楽を聴いておこうと思い、買ったのが「ミュージックエイリアム」というベストアルバムでした。
「迷信」「サンシャイン」から発売当時、新曲だった「ザットガール」「ドゥアイドゥ」まで、主に70年以降の重要なレパートリーをきっちり押さえているこのアルバムで、改めてスティービーの才能豊かな一面に触れ、目前に迫ったコンサートへの期待は高まるばかりです。
これにしたって当時LP2枚組で4千円ぐらいでしたので、高校では表向き禁止されていたアルバイトをして、少しばかりのお小遣いを稼いでいたとはいえ、チケット代と合わせての計1万円ほどの出費は、かなり痛かったと思います。

そんなわけで私にとっての、この一大イベント、高いチケット代を払って、その場限りではもったいない。
ぜひとも当日は、ライブを録音して来なければ・・・と考えてしまったんですね(笑)。
いや、もちろん、カメラやテープレコーダーなどは、会場に持ち込んではダメってことは知っていたんですよ。
でもなんとかなるだろ、って・・・チャレンジャーというか・・・バカですねえ(笑)。

それで、どうやったら会場へカセットレコーダーを持ち込めるか、友人のI君と一緒に考えたわけです。
手ブラで行って、片手にカセットレコーダーじゃ、当然、入り口でアウトは分かりきってますからね。

まずカセットレコーダーを、どこに隠して(ってオイオイ)持って行くか、なんですが、その頃の高校生はみんな、通学に大きなスポーツバッグ(ボストンバッグ?)を持っていたんですよね。
ですから学校帰りを装って、そのバッグに入れて行けば怪しまれないのではないかということになりました。
もっと見つかりにくい、凝ったやり方もあったかも知れませんが、あまり故意的なことをすると(十分、故意的だが・・)、もしバレた時にあまりにもバツが悪いので、まあソコソコに、ということで・・・。

ちょうどコンサート当日は平日だったので、昼間は実際に学校へ行ったんですが、コンサートへ行くときには、別にぜーんぜん学校帰りでも何でもなくて、ちゃーんと一旦、家に帰って・・・せっせと仕込みました(笑)。

ただスポーツバッグの奥にカセットレコーダーを忍ばせておくだけでは、入場の際、持ち物検査でバッグの中まで調べられるでしょうから、きっとすぐに見つかってしまいますよね。
そこで学校帰りの高校生が持っていても不自然ではないもの・・・そうだ、弁当箱の中にカセットレコーダーを入れておけば、見つからないのではないかと・・・。
そして私はそれをバッグの奥ではなく、教科書や体操服など、無造作に詰め込んだ荷物の一番上にさり気なく置いたのです。
さり気な~~く・・・ここポイントです(笑)。
いずれにしても夕方、コンサートへ出かけるのに制服を着て通学用のバッグまで持って家を出る息子の姿を、母親が不思議そうな顔をして眺めていたことは言うまでもありません(笑)。

私とI君は、コンサート会場である愛知県体育館へ開場時間の少し前に着いて、入場待ちの観客の列に並んでいました。
そのうちそろそろ持ち物検査をしながら、前の方から少しずつ入場という段になって、私たちは、すぐ近くにいた会場スタッフらしき二人のお兄ちゃんが雑談しているのを聞いてしまったのです。

「・・・この前のコンサートの時さぁ・・・カセットを弁当箱に入れて持ち込もうとした奴がおってさぁ・・・」

「おる、おる、そういうの時々おるよ、ハッハッハ・・・」

うげーっ! まさに今の自分、そのまんまじゃーっ!・・・
やっぱり誰しも考えることは同じだったのね・・・
さすがプロ、もしかして目の前にいる自分たちのことも、すべてお見通しかも・・・?
それで一気に心臓バクバクとなり・・・そこからはもうドキドキもんでした。

以下、私とI君の会話・・・

「なあ・・これ、もし見つかったらどうなるんかな・・・」

「たぶん、没収だわ・・・入場口の横に『強制預かり所』、あるで・・・」

「ほんなら最悪、会場に入れてもらえんくなる、ってことはないんかな・・・」

「んー、チケット買っとるで・・・たぶん、それはないんじゃない?」

「ふーん、そっか・・じゃあ・・・・・・

 ・・・バレても元々かーっ!(ってオイオイ、コラコラ)

そうこうするうちに私たちも入場口のところまでやって来ました。
この時点ではもう心臓は飛び出しそうなぐらいバックン、バックン・・

入場係の人がお約束どおり、

「バッグのなか、失礼しまーす」

と言いながら私のスポーツバッグの中を覗き込んで来ました。

「あの、いや・・学校の帰りなもんで・・・教科書とか・・ですけど・・・」

そういう私の言葉にはお構いなく、その係の人はバッグの奥までシッカリ確認しようとして、手でバッグの中の荷物を掻き分けようとしたわけです。

で、問題の弁当箱ですが、それは確かにパッと見ただけでは、もちろんただの弁当箱なんですが、手に持たれてしまうと、不自然な重量感と、微かにカタカタとする振動で見破られてしまうかも知れません。
そこで私は、係の人に触れられる前に、一番上に置いてあった弁当箱と体操服を自らの手で持ち上げ、さも、

「さあ、奥のほうもシッカリ見てください」

とでもいう風にさり気なく、残ったバッグのほうだけを差し出したのでした。

その結果・・・見事にセーーフッ

「ね、何もないでしょ・・・」

ってな顔して、出来る限り自然な態度で振舞いながら、入場ゲートを通過したときには

内心・・・ホーーーっ・・・と。

I君もなんとか無事に通過して、二人はもう、ヘナヘナになりながら座席に着いたのでありました。
そして開演の少し前、薄暗くなった観客席の足元からゴソゴソとレコーダーを取り出し、録音ボタン、ON!

「やったぞ! うまく行った!」

しかし2時間ほどのライブの間に、当然テープが終わればひっくり返さなくてはならないし、両面終わればテープを入れ替えなくてはならないし、で・・・
コンサートの途中、制服姿の二人の高校生が、代わる代わるしゃがみこんでゴソゴソとやっている姿は、近くにいた大人たちには、どう映ったのでしょう。

肝心のスティービーのライブパフォーマンスは、とても素晴らしかったです。
私が特に感動したのは、彼が吹くハーモニカの音色で、「可愛いアイシャ」などでのハーモニカのソロは、ライブならではの生々しさで心に迫ってきて

「あーっ、やっぱり来て良かったーっ」

でもって、この感動のコンサートは、しっかりとカセットに録音もしたし・・・うん、大満足。

しかし録音したテープを楽しみに家に持ち帰って聴いてみると・・・ザワザワした雑音のなか、遠くで聴こえる音楽はボコボコとした音で・・・なんじゃこりゃ? とても聴けたもんじゃありませんでした。

最後に・・・やっぱり規則は守りましょうね(笑)。

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2006年11月18日 (土)

エリック・クラプトン名古屋公演 観~ちゃった。

Clapton 来日メンバーを知ったときから、出来れば観に行きたいと思っていながら、当日のスケジュールの都合で、ずっと行くのを迷っていたクラプトンの名古屋レインボーホールでのライブですが、どうやら行けそうだということになり、3日前に電話で当日券を予約しました。

その時点でまだ空席が残っていただけでも御の字なので、どんな残り物の席になるかは覚悟していたのですが、2階席ながら割りと前の方、6列目だったでしょうか。
ステージから比較的近い右ナナメ、つまりクラプトンのピックを持つ側だったので、手の動きもバッチリ見えて、意外とラッキーだったかも知れません。
音響の面からいうと、たしかに不満もあるのは事実ですが、せっかく「観に」行くわけですから、出来るだけ近いところで観たいのも正直なところですよね。

オープニングは、事前にネットで確認していたセットリストとは異なり、「テルザトゥルース」でのスタート。

ところでクラプトンの来日は、今回で何度目になるのでしょうか。
コンサートに足を運ぶということ自体、もうずいぶん久しぶりのこの私が、今回だけはぜひとも生で観てみたいと思った最大の理由は、今回のツアー同行メンバーにデレク・トラックスが加入していたことなんですね。

デレクといえば、自身のバンド、デレク・トラックス・バンドを率いながら平行して、あのオールマン・ブラザーズ・バンドのリードギタリストとして、デュアン・オールマンのスライドギターを受け継いだ若き天才ギタリストです。
蛇足ですが、私自身は、ドラマーのブッチ・トラックスはデレクの父親だと勘違いしていましたが、どうやら叔父のようですね。

そして彼の名前「デレク」が、あの名作アルバム『レイラ』を生み出したグループ名、デレク&ドミノスに由来しているとくれば、どうしたって『レイラ』におけるクラプトンとデュアン・オールマンの名コンビの再現を、このステージに期待せずにはいられません。
そんなところへ、いきなり『レイラ』収録曲の「テルザトゥルース」なのだから、これは堪りませんね。

ブラッキーのストラトを弾きながら唄うクラプトンのボーカルにフィルインを入れるデレクのスライドがオープニングからうなりをあげます。
その後も全編でデレクのスライドギターは大活躍で、もしかしたらコンサート全体を通しても、クラプトンよりもリードを取っている時間は長かったかも知れません。

クラプトンもデレクのギターには全幅の信頼をおいているようで、ツアーパンフに掲載されているクラプトン自身のコメントにも

「今回のバンドには、ずっと以前からぜひとも一緒にプレイしたいと思いつづけていたプレイヤーも・・・」

という部分がありますが、これがデレク・トラックスのことを指しているのに疑う余地はないでしょう。

それにしてもデレクのギターを生で聴く機会が訪れるとは、思ってもいませんでしたが、それが一度は観たいと思っていたクラプトンのコンサートで実現するとは、まさに「一粒で二度おいしい」(懐かしフレーズ・笑)今回のライブ体験でした。

いや、もちろんクラプトンもやっぱり最高でした。
私の斜め後ろの若い男性が曲の合間ごとに

「カッコイイー! エリック、カッコイイー」

の絶叫を連発していましたが、その心境も分からないではありませんでした。

そして忘れてならない、もう一人のギタリスト、ドイル・ブラムホール・Ⅱ
彼は左利きなんですが、多くの左利きギタリストが、ギターの弦を右利きと逆に張り替え(ま、実際には、わざわざ右利き用を張り替えているのではなく、最初から左利き用に作られた「左利き用ギター」を使っているのでしょうが)、ちょうど右利きを鏡に映したのと同じ状態にして弾いているのと違って、彼の場合、右利き用の弦の張り方をそのまま上下ひっくり返した状態で弾いているんですね。
ただしボリュームつまみは下の方についているので、これも彼専用の特注ギターと思われますが、弦の上下は通常と逆になっているので、チョーキングは上に押し上げるのではなく、下に引っ張り下げ、カッティングも上下が逆になるので、見ながら聴いていると不思議な感覚がして面白いです。
最近のステージでは、ずっとクラプトンの片腕的存在で、クラプトンのDVDでもお馴染みのドイルですが、今回もバッキングからアドリブソロまでキッチリこなし、アコースティックセットでは渋いハーモニカとボーカルも聴かせてくれました。

そうこうするうちに「ワンダフルトゥナイト」が始まり、ライブもそろそろ終盤に入ってきたことを知り、

「え、もう・・ちょっと早くないの?・・・」

と思って、ちらっと時計を見たら、もうすでに2時間近く経っていました。
ホントにあっという間に時間が流れていたんですね。

そして「レイラ」から「コカイン」へとつながる壮絶なクライマックスでひとまず終了。
しかしお楽しみはまだまだです。

大阪ではレスポールも使っていたらしいクラプトンも、この日はストラト一本でしたが、アンコールでは個人的に一番楽しみにしていた曲「クロスロード」で白熱のプレイのダメ押しもあり、ノリノリの大盛り上がりのうちに宴を終えたのでした。

終わってホールの外に出ると、今まで中で行われていたことが、まるで夢でも見ていたかのように思えてきましたが、帰りに買ったツアーパンフの値段の高さは、もちっと何とかならないものでしょか。
でもまあ、買いましたけどね(笑)。

くどいようですが、やや音響的には不満はあったものの、最高のギターバトルが観られて思い残すことはありません。

「さ、また頑張ろっ」

って思いながら帰りの電車に向かった私なのでした。

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2006年10月25日 (水)

ヴァレリー・カーター「愛はすぐそばに」

Just_a_stones_throw_away ジャケットの向こうからこちらを見つめるヴァレリーの表情がなんともキュートな、彼女のファーストソロアルバム「愛はすぐそばに」

お転婆だった少女の頃・・・って勝手に決め付けてますけど(笑)・・・のあどけない面影を残しつつ、清楚ないでたちで澄ましている、この愛くるしいジャケットが、アルバムの内容を象徴しているようです。

この後の、ぐっとAOR度を増し、完成度も高いセカンドアルバム「ワイルドチャイルド」も、ファンの間では根強い人気のある名盤ですが、彼女自身が女性として大人っぽさを増し、シックで都会的なセンスも感じられるセカンドよりも、ファーストでの、奔放さと可憐さが同居し、まだどこか垢抜けないといった感じの少女が、ちょっぴり背伸びをして、大人の女性を気取ってみました的な、このいたいけさがたまらんわけですよ、オジサンとしては(笑)。

そんな魅力が、1曲目の「ウー・チャイルド」から、じわ~っと溢れ出します。
ほんわかした牧歌的な温もりを感じる演奏に導かれ、軽やかに歌い始めるヴァレリー。
あえて例えるなら、キャラメルママをバックに「ひこうき雲」を歌う、デビュー当時のユーミンといった趣きかな・・・。
そして彼女の声には、両手のひらで、そっと包み込んでいないと、壊れてしまいそうな危うさも感じずにはいられません。

かと思えば、リトルフィートのローウェル・ジョージがプロデュースをした2曲では、ブルース感覚溢れるファンキーな演奏に乗せて、なかなかソウルフルなボーカルを聴かせてくれます。

ソロデビューする前から数多くのミュージシャンのバックボーカルを務め、歌の上手さには定評があったヴァレリー・カーターが満を持して発表したこのアルバムには、彼女の歌う喜びがいっぱいに溢れていて、いつまでもときめきを失うことはないのです・・・。

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2006年10月10日 (火)

ジョン・ウェイト 「ノー・ブレイクス」

No_brakes ベイビーズとしても成功を収め、のちにバッドイングリッシュを結成するジョン・ウェイトですが、ソロで活動していたときの「ノー・ブレイクス」が最大のヒット作となっていますね。

男の涙腺を緩ませるハードポップなミディアムチューン「ミッシングユー」は、マイフェイバリッツからは絶対に外せない大名曲ですが、失恋したときには聴かないほうがいいかも知れませんね・・・(実体験ではないですけど・笑)。
曲自体はソリッドなリズムが心地良いのですが、歌詞の意味が分からなくても、何故か哀愁を感じてしまうボーカルとメロディーが琴線を刺激します。
全米NO1にもなっている彼の代表曲ですね。

先日、BIGLOBEの動画サイトで観たリンゴ・スター&オールスターバンドのライブで、彼がこの「ミッシングユー」を歌っているのを発見したのには、超~感激。
ちなみにこのライブでは、メンアットワークのコリン・ヘイ「ダウンアンダー」を、シーラEが、全盛期ばりのアクションを交えて「グラマラスライフ」を演っているのには、うれしくてぶったまげてしまいましたが、それにしてもリンゴのおやっさん、なんというむちゃくちゃな人選なんでしょう。
面白いじゃないですか(笑)。

アルバムに話を戻しますが、アイドル的に見られていたベイビーズのイメージを払拭しようとしているのか、全体的にストレートなハードサウンドで統一されています。
2曲あるカバー曲のうちの1曲「ティアーズ」は、これ以前に、あのハードロックバンド、KISSのピーター・クリスがソロで発表していた曲ですが、これなんか、むしろジョン・ウェイト・ヴァージョンのほうがハードな仕上がりになってます。
それでも、ちゃーんとメロディの良さは生かされているところが、彼の持ち味ですかね。

そんなジョン・ウェイトのことを、ずっと私は、

「なかなか正統派のアメリカンロックをやる人だなあ」

と思っていたら、意外にも彼、イギリス人でした(笑)。

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2006年10月 3日 (火)

ジョージハリスン 33&1/3

3313 ジョージハリスンが自ら立ち上げたダークホースレーベルから、彼自身の第一弾アルバムとして発表したのが「33&1/3」。
ちなみに読み方は「サーティースリー・アンド・ワンサード」だそうです。

妻パティとの離婚や、盗作裁判における敗訴など、この時期のジョージはトラブル続きでどん底でしたが、古巣アップルを離れ、気持ちも吹っ切れたのか(いや、この場合、開き直ったというべきか・笑)、やや暗いイメージもあった前作と打って変わって、どこかスコンと突き抜けた、カラッとした明るさが感じられる作品です。

いきなりオープニングからファンキーなチョッパーベースが飛び出してくるのには、意表を突かれますが、すぐにクネクネしたスライドギターが乗っかってきて

「あ、やっぱりジョージだ(笑)」

例えは悪いですが、かゆいところに手が届かないような(笑)、いろんなものがごちゃ混ぜになったポップで痛烈なジョージ節が飄々と疾走していくようです。
シングルにもなった「人生の夜明け」などは、聴きようによってはヘンテコなリズムにヘンテコなメロディーで、

「こんな音楽、ジョージしかやらないよな・・・」

でもそれが聴きだしたらクセになってしまうんです。

何かのパロディなのか、本気なのか、よく分からないところも彼の音楽の魅力になっているような気がします。
私自身は特に、コールポーターのカバー曲、「トゥルーラブ」の、文字通り思いっきり滑りまくるスライドギターが快感です。

とにかくジョージらしさに溢れた快作なんですが、ハッキリ言って、あまり売れてません(笑)。
そもそも彼自身が、あまりセールスにこだわって作っているとは思えないんですが。

ビートルズ時代からジョンとポールの影に隠れて、控えめに活動していたようなイメージがありますが、実は意外と彼がいちばん、ビートルズであることを意識せず、一人のミュージシャンとして、一人の人間として、やりたい事をやりたいようにやっていたのかも知れません。

解散してすぐにヒットを連発し、「解散して、いちばん得をしたビートル」なんて言われていましたが、解散直後の大傑作「オールシングスマストパス」にしても、ジャムセッションがオマケについたアナログ三枚組なんて、普通に考えれば、とてもヒットを狙ってリリースしたものとは思えませんね。

ところでジョージのダークホース時代のCDは、一時期、契約上の問題から発売中止となり、入手困難な時期がありました。
私も最初にCD化されたときに買っていなかったので、試しにネットオークションで探してみたら、8500円の値段が付いていて驚きました。
それがある日、中古屋さんで偶然発見し、普通に1000円そこそこで入手出来たときには狂喜したものですが、現在は晴れてリマスター盤で再発売されています。

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2006年9月20日 (水)

フォリナー「ダブルヴィジョン」

Double_vision デビューアルバムでいきなり300万枚のビッグヒットを記録し、周囲からの期待にプレッシャーを感じながらも、曲作りのうまさに益々の冴えを見せ、完成度を増したフォリナーのセカンドアルバム「ダブルヴィジョン」

メンバーがアメリカ人とイギリス人の混合で構成されているので、このグループ名が付けられたそうですが、元スプーキートゥースのミック・ジョーンズや元キングクリムゾンのイアン・マクドナルドなど、10年以上のキャリアを積んでいるミュージシャンが中心となって結成され、私が推測するには、バンドの結成時のコンセプトは、ずばり「売れるロック」を作ることだったと思われます。

ハードなギターにキーボードを重ねて重厚に練り上げられたサウンドながら、大衆に受け入れられるロックを追及するべく、無駄な音は出来るだけ排除し、そこにあるのは、そこになくてはならない音、であるかのような理路整然としたアレンジからは、ちょっとインテリっぽいイメージも感じられますね。

実際、このアルバムを学生時代に友人から勧められて、初めて聴いたときの感想は

「何だか堅苦しくて、小難しいような・・・」

といった感じでしたが、自分自身が年齢を重ねた今、落ち着いて聴き直してみると、よく考えられたメロディアスなフレーズを厚みのある音に融合させた丁寧な曲作りには好感を覚えます。

そういえば、シンプルなアレンジにまとめられたオープニングの「ホットブラッデッド」などは、私も昔、アマチュアバンドの練習曲として、特に馴染みの深い曲でした。

ボーカルのルー・グラムのギョロッとした目、以外は、あまりメンバーの顔は、すぐには思い浮かべることができないような、ビジュアル的には地味なグループですが、彼らが真面目に、且つ大胆に作り出した刺激的なサウンドは、いつまでも耳の奥に残るのです。

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2006年9月 5日 (火)

ズーターズ「ノット・クワイト・アット・武道館」

Not_quite_at_budokan これはほとんど「ジャケ買い」に近い一枚です。
いちおう本で紹介されているのを、たまたま目にしたのですが、ジャケット写真でメンバーが着ているTシャツに、このタイトルとくれば、あからさまにチープトリックを意識していることは明白な、ズーターズ「ノット・クワイト・アット武道館」。
ちなみに「at武道館」というのは、チープトリックの出世作となる大ヒット・ライブアルバムのタイトルです。

「さぞや気持ちのいいパワーポップが聴けるのでは・・・」

と期待しつつ、CD屋さんへ探しに行って買いました。

ただ実際に聴いてみると、想像していたよりも、かなりハードな印象でした。
いや、この場合、英語よりも日本語でそのまま、「荒い」といったほうがピッタリするような気がします。
オープニングからハードエッジなギターサウンドが前面に出ていて、まさに直球勝負で突き進んでいきます。
しかし聴いていると、途中でビートルズにも通じるようなメロディーやコーラスが散りばめられていて、思わずニンマリしてしまうんです。

それに唯一のカバー曲、「グッドガールズドント」は、「マイシャローナ」の一発ヒットで知られる、ザ・ナックのカバーですが、そういえば、そのザ・ナックも、当時は「80年代のビートルズ」なんて言われていましたっけ・・・

おまけにビートルズや初期のチープトリックと同様、アルバム全体の時間が短いのもいいんです。
収録時間が長く、テンションの低い演奏をダラダラと聴かされるのは苦痛ですからね。
このアルバムのように、コンパクトで歯切れの良い演奏がテンポ良く展開されると、あっという間に聴き終わって、あとには爽快感が残ります。

覚えやすいポップなメロディーが最大の魅力ながら、決して甘すぎることはなく、さすがにミスタービッグポールギルバートが惚れ込んでプロデュースしただけあって、ハードとポップのバランスがセンス良くまとめられています。

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2006年8月24日 (木)

ダイアーストレイツ「ダイアーストレイツ」

Direstraits このダイアーストレイツファーストアルバムは、以前はそれほど好きではありませんでした。
初めてこのアルバムを聴いたのは中学生の頃、「悲しきサルタン」の大ヒットに興味を持ちアルバムを聴いてみましたが、「枯れた味」の分からない若造には渋い、あまりにも渋すぎて、

「つまらない曲ばっか・・・」

っていうのが正直な感想でした。

それでも懲りずにセカンドアルバムも聴いてみたら、そちらのほうは割と好きで、いつもセカンドのほうばかり聴いていました。
えっ?セカンドも大して変わらないじゃないかって?
そう言われるとそうなのかも知れませんが、個人的にはセカンドのほうがポップなテイストが感じられ、聴きやすいと思うんですが、どうでしょうか。

そういうわけでファーストは一時期あまり聴かなかったんですが、たまにセカンドを聴いているうちにファーストも聴いてみようかなと思うようになりまして・・・。
これが久しぶりに聴きだすと、何度も聴くうちに、噛めば噛むほど味が出るスルメのようで、何度聴いても飽きが来ない。
発表から何年経っても、新しいとか古いとか、そんなことも超越して新鮮に聴けます。

考えれば、このグループが出てきたときはパンク全盛の時代。
そんな時代にストラトキャスターを指で弾くクリアーなサウンドは、逆に異色な存在だったと思います。
グループ名の「ダイアーストレイツ」は「絶体絶命」という意味だそうで、アマチュア時代に生活が苦しかったことから、そう名乗っていたとのことですが、そんなこともあって、ストラトにエフェクターもかけずアンプに直結したサウンドも、若かった私にとっては、渋いというよりも

「貧乏くさいなあ・・・」

というイメージのほうが強かったりして・・・(笑)。

その後、一時期やや低迷気味でしたが、MTV時代のビッグヒット「マネーフォーナッシング」で、レスポールにディストーションをかけたサウンドで鮮やかに復活したときは、ガラリとイメージの変わったそのサウンドに驚いたものです。

しかし今となっては私自身、デビュー当時のクリアーで枯れたサウンドに魅力を感じますが、ギタリストのマークノップラーという人は、数多くのアーティストのプロデュースをやっているだけあって、音作りには彼なりの信念がちゃんとあるようです。
昔はお金がなかっただけか?(笑)

現在でもイギリスの大御所ミュージシャンとしてがんばっているようなので、もうお金には困っていないと思われます(笑)。

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2006年8月 3日 (木)

エアロスミス「闇夜のヘヴィロック」

Toys_in_the_attic デビューから30年以上を経た現在でも活躍を続けるエアロスミスですが、70年代の後半にアメリカン・ハードの頂点に登りつめることとなる大出世サードアルバムが「闇夜のヘヴィロック」

最高傑作ということなら、この次のアルバム「ロックス」に譲ることになると思いますが、「ロックス」での重厚なサウンドよりも、このアルバムでは輪郭のハッキリとした小気味のよいアンサンブルが爽快感を生んでいます。
逆に2枚目までは、やや荒い印象もあり、この3枚目が一番バランスも良く、肩の力を抜いて楽しめる作品に仕上がっているのではないでしょうか。

収録されている曲自体も良い曲が揃っていますが、この中での代表曲は「ウォークディスウェイ」でしょうか。
キャッチーなギターリフから始まりますが、全体のアレンジはハードというより、やけにファンキーです。
ボーカルもなんだか早口で・・・そう、この時代に、ハードロックバンドでありながら、やっていることはほとんど、今で言うヒップホップだったんですね。

それにしても、この時代にラップをハードロックに取り入れていた先取り感覚は、今になって思えば、ちょっとした驚きですね。
ただし当時は、少なくとも私などはラップという言葉も知らず、特に何の意識もせず、それをエアロスミス独特のサウンドとして聴いていたわけですけどね。

80年代に入って一時期、低迷していた頃、RunDMCが、この「ウォークディスウェイ」をカバーして大ヒットしましたが、そのプロモーションビデオにボーカルのスティーヴンタイラーとギターのジョーペリーが出演したのをきっかけに、ちゃっかりバンドも再浮上させたところなどは、なかなかしたたかです。

その後、現在でも人気バンドとして活躍していますが、やはり個人的には70年代の作品に愛着があります。
特にこの「闇夜のヘヴィロック」はエアロスミスが、本来どういうバンドであるかを確認するのにも分かりやすいアルバムだと思います。

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2006年7月26日 (水)

エリックカルメン「チェンジオブハート」 幸せな気分にひたれる極上ポップス

Change_of_heart 日本盤CDのパッケージにかけられているいる”帯”(CDの場合もこう呼ぶんでしたっけ?)には

「こんなにいいのにと思わず溜息・・・」

のコピーが。
つまりは発売当時それぐらい売れなかったということを物語っているわけで・・・。

しかしながら「極上のポップス」という賛辞は、ありふれてはいるけれども、このエリックカルメン「チェンジオブハート」にピッタリの形容だと断言してしまいましょう。

全9曲、時間にして30分ばかりのボリュームの薄さを責めてはいけません(笑)。
そのぶん捨て曲なし、ぎっしりと濃縮された至福の時間にどっぷりひたれます。

壮大なスケールを感じさせるサウンドで作り上げたものの、セールス的にはいまひとつだった前作から一転して、徹底したポップサウンドで貫かれたこの作品は、今思えばコンポーザーとしての彼のひとつの到達点だったかもしれません。
売れるべくして作られた、彼自身にとってもおそらく自信作だったはずです。

私自身は、エリックカルメンはラズベリーズを解散してソロになってから好きで、よく聴いていましたが、その頃から曲のなかにクラシック的要素を取り入れ、音楽に幅を出すことに成功しています。
このアルバムでもオープニングとラストにクラシック風小品のインストルメンタルとボーカル入りをそれぞれ据えて、最後の曲を聴いたあとで、また最初から聴きたくなってしまうという古典的な仕掛けが施され(笑)、トータルアルバムとしての体裁を借りていますね。

サポートミュージシャンも、なかなか豪華なゲストを集めています。
デヴィッド・ペイチ、ラス・カンケル、バートン・カミングス、ダニー・コーチマー、リッチー・ズィトー、サマンサ・サング、ヴァレリー・カーターetc・・・
私の大好きなドラマー、ジェフ・ポーカロも参加していることは、長いこと気がつきませんでした。

ところで、このアルバムが発売されたのとおなじ頃、ロッドステュワートが「スーパースターはブロンドがお好き」というちょっとケバいタイトルのアルバムをリリースしていたんです。
それでどちらを買おうか、しばし迷った当時の少年(私です)は、なけなしのお小遣いをはたいてロッドのアルバムを買ったのでした。
理由はわりと単純なことで、ちょうどその数日前にNHK-FMでこのアルバム「チェンジオブハート」の特集がオンエアされて(考えようによってはそのことのほうが凄い!)、アルバムのほぼ全曲をカセットテープにエアチェックしていたから。
まがりなりにもカセットで聴ける曲をレコードで買いなおすという行為は、当時の少年(これも私です)にとっては相当な決断を要することだったのです。
逆に言えば、それでもレコードを買おうか迷ったぐらい、ここで聴かれるサウンドは当時の少年(やっぱりこれも私です)にとって魅力的なものでした。
その結果、その日からしばらくはレコードでロッドを聴き、カセットでエリックを聴く忙しき日々・・・。

そのうちにこのアルバム自体、お店で見かけることもなくなってしまいましたが、この作品こそ彼の最高傑作であるという思いは、ずっと変わることはありませんでした。
そして実際にこのアルバムを買ったのは、ようやくCD化されたのをショップで発見してからだったのです。

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2006年7月14日 (金)

エルトンジョン「ヒア&ゼア」

Herathere 2004年に発売された「ライブエイド」のDVDを久しぶりに見て、

「さすがに別格だな」

と改めて感心させられたのがエルトンジョンのライブパフォーマンスの素晴らしさ。。
しかしこのイベントが行われた1985年当時といえば、正直言って、すでに彼のキャリアにおけるピークはいくらか過ぎていたのも事実でしょう。
それより10年以上も前の1974年、NO1ヒットを連発して乗りまくっていた頃のロンドンとニューヨークのライブを、2枚のディスクにそれぞれ収録したのが、ライブアルバム「ヒア&ゼア完全版」

エルトンジョンというと、多くのの音楽ファンには「ユアソング」とか、ダイアナ元妃に捧げられた「キャンドルインザウインド」などのように、しっとりとしたピアノの弾き語りのイメージが、もしかしたら強いのかもしれません。
ビリージョエルなんかにも言えることですが、キーボードを演奏していると、どうしてもギタリストほどはロッカーっぽい印象を受けなくなりがちなんですね。
でも古くはジェリーリールイス、リトルリチャードなど、元来ピアノを叩きながらシャウトするロックンローラーは数多くいたものです。
エルトンの場合も、特にライブになるとロックンローラーとしての本質を再認識できます。
中でも「ベニーアンドザジェッツ」「ホンキーキャット」などは、いかにもライブでこそ映える、聴衆を盛り上げるためのナンバーと言えますが、「ロケットマン」「ダニエル」などの珠玉のメロディーにおいても、ピンと張りつめた緊張感を持った演奏がリスナーを惹きつけます。

ところで私がこのアルバムを手元に置いておきたいと思った最大の理由は、ジョンレノンが飛び入り競演し、レノンにとっての最後のライブコンサート出演となった3曲が記録されているからにほかならないのですが、アルバム全体を通して聴いてみると、感動的な競演部分でさえ、このライブにおいては、やはり単なる「オマケ」でしかないということを思い知らされるほど、それにも増してエルトンのソロパフォーマンスの素晴らしさは圧倒的に文句なし。

当初LPレコード1枚ものでリリースされたオリジナルアルバムも、現在のようなCD2枚組みの完全版として生まれ変わると、ザ・フーの「ライブアットリーズ」やオールマンブラザーズバンドの「フィルモアイースト」の例と同じく、ほとんどアルバムとしての意味、価値も違ったものになってきます。
しかし誤解のないように言っておくと、ひとつのコンサートをコンパクトにまとめた1枚もののLPレコードも、ある意味ダイジェスト版と割り切って聴けば、手ごろな時間で手軽に楽しめて、それなりに悪くはありません。
もっとも収録曲の多い長時間録音CDでも、プレイヤーで聴きたい曲だけプログラムして聴けば「擬似LP体験」が出来るので、「大は小を兼ねる」完全版は大いに歓迎。

またそれとは違う企画盤で、ジョンレノン暗殺後に、競演の3曲をフューチャーして急遽発売された10曲入りのアナログ盤をよく聴いていたため、ディスク2のニューヨーク録音のほうが個人的には思い入れが強いのですが、ディスク1も含めてヒット曲も満載で、曲の良さも楽しめるし、とにかく絶頂期のライブで

「これこそ天下を取った本物」

のエンターティナーとしての実力がひしひしと伝わってくるのが実感できます。

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2006年6月18日 (日)

昼寝音楽とマーメイドS

昨夜は疲れていたので早く寝るべきだったのですが、パソコンに向かっていたら、ついつい夜更かししてしまいました。
そのせいか、朝、起きてからもずっと頭が重く、調子が出ない。
昼食を済ませると、頭だけでなくまぶたも重くなってきたので、ここは潔く、1時間ほど昼寝をすることにしました。

私は寝るとなれば明るくても、少しぐらい騒音があっても、あまり気にせず眠れるほうですが、今日は頭をリラックスさせるために、あえて音楽を小さめの音量でかけてみました。

The_best_of_mjh 疲れたときなどに、体の力を抜いてのんびりしたいときに私がよく聴くのがミシシッピジョンハートのヘタうまブルーズ弾き語り。
いや、ヘタってことはなく、うまいに違いないんですが、歌い方もなんだかやる気があるようでないような、リズムの取り方も気分しだいのようで、ミスピッキングも多いような・・・やっぱりヘタなんでしょうか・・・(笑)。
でもそういうこともすべて含めて、彼が奏でる音楽には、ふと心を許し、気持ちが開放される不思議な魅力があります。
おそらく一生、離れられないでしょう。

今日聴いたのは、何故かタイトルが「ベストオブ・ミシシッピジョンハート・プラス」という、大学の講堂での、リラックスムードいっぱいのライブアルバム。
実際、音楽を流した意味があったのかどうか分かりませんが、ゆったりした気分で眠りにつき、2曲目からはもう記憶がありません(笑)。
ちょっと1時間ほど、のつもりでしたが、ゴソゴソと起きだしたのは3時間後でした。(こりゃ、今夜も眠れないわ。)

競馬のほうは、今週から夏モードに入りましたね。
頭が重いとかなんとか言いながら、やめときゃいいのにメインレースだけ買いました。

阪神のマーメイドSはメンバーをざっと見てサンレイジャスパー
ちょっとひねってライラプスにも狙いを付けたのだが、展開と脚質を考えるとマイネサマンサがそこそこ粘りそうで怖かったので、マイネを軸にしてサンレイとライラプス、それにフィヨルドクルーズを加えた3連複で行きました。
ちなみにヤマニンシュクルやレクレドールは初めから馬券対象に入ってません(笑)。
レースはマイネに有利に運んでいるように見えましたが、思ったより追い込みが決まってソリッドプラチナムが勝ちました。
2着のサンレイも条件馬ながら重賞でも十分通用することを証明しましたが、イマイチ勝ち切れないのは相変わらずです。

予想らしい予想はこのレースだけで、他には福島のバーデンバーデンCは、メンバーを見て、単純にこの馬が強いと思ったのを3頭ボックスで買いました。
ペニーホイッスルは1200でも結果が出ず、今後、人気が落ちるようなら秋に中山で狙いたい。
スナークスズランは今日も意外と人気がなくおいしかったのだが、そろそろ旨みがなくなりそうで、今日の連対は馬券的には獲れなくてもったいなかった。

もったいないといえば函館のメイン、奥尻特別
これもあまり深く考えずにシュフルール、ブレーヴハート、フィールドベアーの3頭をピックアップして、一番配当のいいシュフルールから流そうと思ったのだが、どうも確信が持てず、馬券購入直前で見送ってしまいました。
そういう時に限って当たってしまうんですよねー。
あー、もったいない。

その分は来週の宝塚記念までJRAに預けておきます。
配当を届けてくれるのは、どの馬になるのでしょうか。

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2006年6月15日 (木)

38スペシャル「スペシャルフォーシズ」 サザンロック発、ポップセンス溢れる80年代の名曲

Special_forces 1曲目の「思い焦がれて」、これに尽きるんですけどね。

カカカ、コココ、カカ・・・というミュートギターのイントロが流れてくるだけで、心なしか、すうーっとさわやかな空気が漂うんです。
アレンジとしては常套手段というか、ありふれてるって言ってしまえば確かにそうなんですけど、これぞアメリカンロックの王道って感じの、後半の盛り上がりを予感させるイントロです。

メンバー6人のうちボーカルとベース以外はツインドラムスとツインリードギターという、意表をつく編成。
正直言ってツインドラムスの効果のほどは、よく分かりませんが、2本のギターの絡みは絶妙ですね。
中盤、演奏も熱くなるころに当然のように入ってくる流麗なギターソロは、口ずさめるほどキャッチーで、テクニック的に派手ではないかもしれませんが、

「うまいなー、もっと聴きたいなー」

と思っていると終盤に再び登場し、エンディングにかけてイケイケで弾きまくってくれます。
フェイドアウトするのが惜しいくらいで、私にとって、この幸せな4分半は、あまりにも短すぎます(笑)。
しかし、それにしても文句なしに「いい曲」です。

初めて聴いたときは

「なんて爽快な、カッコイイ曲なんだろう」

と思ったのですが、この人たち、写真で見ると長髪にヒゲをたくわえ、相当にむさ苦しい風貌で、曲のイメージから想像していたのと、かなり違った印象を受けたものでした。

ボーカルのダニー・ヴァン・ザントがレーナードスキナードのロニー・ヴァン・ザントの弟ということもあり、いちおうカテゴリー的にはサザンロックに入れられるんでしょうが、その中にあって、ポップな感覚を強く押し出して、親しみやすいロックを作り出しているのが、同系統のバンドとはやや異色なところです。

そういえば80年代は、REOスピードワゴンや、スターシップなどのように、それまで骨太なロックをやっていたグループがポップな味付けをして成功した例が多くみられます。
38スペシャルも82年にハードポップなスーパーチューン「思い焦がれて」のスマッシュヒットと共に、5作めのアルバム「スペシャルフォーシズ」でブレイクしています。

セールス的に最も成功したのは、この後の6作目「ツアーデフォース」だと思いますが、その後は活動がやや低調になってしまったのは惜しまれます。
そのせいもあって余計にこのバンドの曲を聴くと、一気に80年代に連れ戻されるような気がして、ちょっと甘酸っぱい気分になってしまうのです。

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2006年5月30日 (火)

ローリングストーンズ「12×5」 ストーンズは昔からストーンズだったか。

12x5 最近になってデッカ時代(デビュー以降の60年代)の旧タイトルが紙ジャケ仕様でまたまたリニューアルとなっているローリングストーンズ

学生時代は圧倒的にストーンズレーベル設立以降の、70年代ストーンズが最高だと思っていましたし、今でも「ブラックアンドブルー」や「サムガールズ」は大好きなアルバムです。
しかし自分が歳を取るにしたがって、逆に初期のデッカ時代の渋いサウンドに惹かれるようになってきました。

そもそもストーンズの音楽って、メンバー自身が年齢を重ねるにつれ、サウンドは逆に若々しくなってきているようにも思えます。

しかしデビューしてしばらくはブルース色が濃く、若いながらも、いぶし銀のプレイを聴かせていたストーンズ。

ローリングストーンズのアルバムは、ビートルズなんかと同じように、本国イギリスとは違う選曲でアメリカ編集盤が出されていました。
しかしビートルズのアメリカ盤が賛否両論で、結局CD化に際してイギリス盤が一応の世界標準とされたのに対し、ストーンズの場合はアメリカ編集盤のほうが内容が良く、、一般の認知度も高くなっています。
現状ではイギリス盤のファースト、セカンドは廃盤になってしまっています。

初期のアルバムではやはり、粘っこいサウンドで抜群のグルーヴを作り出しているアメリカでのセカンドアルバム「12×5」がいいですね。
この次のサードアルバム「NOW!」も甲乙付けがたいのですが、個人的にはセカンドを聴くほうが多いです。

オリジナル曲はいちおう5曲なんですが、それよりも輝きを放っているカヴァー曲も、ほとんど自分たちの曲のように消化しきっているアレンジのセンスが秀逸です。
このセンスの良さってところがストーンズの最大の武器で、かたくなに同じことをやっているように見えて、実は他のアーティストのイイとこ取りをしながら、時代にも柔軟に対応してきたことが、その後のスーパーグループとしての成功につながっているのでしょう。
ストーンズの名曲として知られている「タイムイズオンマイサイド」「イッツオールオーバーナウ」も他人のカヴァーだということは、もしかしたら意外と知られていないのではないでしょうか。

しかし実はそんなことはどうでも良く、とにかくアルバム全体を通して支配する、うねるようなグルーヴに、ひたすら浸ってみるのが正解でしょう。
バンドとしての一体感、演奏力の高さは、デビュー当時から揺るぎのないものだったんですね。

ストーンズ憧れのチェス・スタジオ録音の本作品も、ずっと昔に買ったアナログのLPは擬似ステレオでしたが、現行のCDでは半数の6曲がリアルステレオで収録され、歴史的価値も上がっているので、ぜひCDでも手元に揃えておきたいアルバムです。

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2006年5月11日 (木)

ボブウェルチ「フレンチキッス」 プレスミスでビートルズのB面に?

French_kiss フリートウッドマックのポップ路線への転換に多大な功績を残しながら、マック脱退後パリスでハード路線を模索したボブウェルチが、のちにそれらをうまくブレンドして大成功を収めた、という解説ではイージー過ぎますか。
彼、マック以前には黒人バンドでR&B・ソウルをやっていたというから、音楽の下地はけっこう広いのかもしれません。

いま聴くと、それほどハードでもありませんが、ポップな味付けのロックサウンドに、お世辞にもエネルギッシュともソウルフルとも言えない力の抜けたボーカルがフワフワと乗っかって、まあ、心地いいといえば心地いいですけどね。
当時はこれがオシャレなサウンドとして受けて、日本ではこのアルバムから「エボニーアイズ」が大ヒット。
そのころFMラジオでやっていた、シリアポール司会の「ポップス・ベストテン」でも毎週トップ争いを演じていたのを覚えています。
しかしアメリカではオープニングを飾るマック時代の名曲(マックのメンバーも参加)「センチメンタルレディ」がヒットしています。

この曲には不思議な思い出があります。
学生時代の友人が就職のため地元を離れ遠い町で暮らし始めたころ、近所に一軒のレコード屋さんを見つけ、ちょくちょく通うようになりました。
何度か足を運ぶうちに、その店のマスターとも仲良くなり、大のビートルズファンだった友人に、そのマスターがある日こう話しかけました。

「珍しいレコード持ってるんだけど・・・聴いてみる?」

そのレコードは、たしかにビートルズのアルバムジャケットに入っていて、ビートルズの曲名入りのレーベルが張られたビートルズのレコードなのですが、工場でのプレス時に何かの手違いがあったのか、A面こそ曲名どおりのビートルズサウンドが聴けるものの、B面にはまったく聞き覚えのない声の知らない曲が入っていたのです。

マスターもその曲は知らなかったらしく

「これ、誰のなんていう曲なんだろう?」

友人は驚きながらも、それが誰の曲だったか思い出そうとして繰り返し聴かせてもらいましたが、やっぱり分かりません。
しかしそれが意外といい曲だったので、何度か聴くうちにメロディーをほぼ覚えてしまいました。

ある日ひさしぶりに私の家にやってきた友人は、その不思議なレコードの話を私に聞かせたあと、

「こんな感じの曲なんだけどさ・・・」

といって、そばにあった私のギターを弾きながら、メロディーを口ずさんだのですが、それがこの「センチメンタルレディ」だったのです。

「あ、その曲なら知ってるよ。」

その時はたまたまマックのレコードを持っていなかったので、ボブウェルチのレコードを友人に聴かせてみました。

「お~~っ!これ、これ~っ!!」

どうやら彼が聴いたのと同じ曲だったようです。

ただ、私はその不思議なレコードを実際に聴かせてもらってはいないので、そこに入っていたのが本当にボブウェルチのものなのか、実はマック時代のものだったのか、確認することは出来ずじまいで終わってしまいました。
しかし、後になって、やっぱりそれはボブウェルチのソロバージョンだったのではないかという確信を深めています。
なぜならフリートウッドマックのレコード会社が日米ともワーナーであるのに対し、ビートルズとボブウェルチのソロは東芝EMI/キャピトルというところが同じだったからで、もしプレスミスだとすれば(って、ほとんどそうに違いないが・・・)そのほうが可能性は高いと思うのです。

それにしてもこんなことってあるんですか。
もし実際に市場で流通されていたとしたら、こういう不良品レコード(ですよね、やっぱり)を買ってしまった場合、それは幸運なのか不運なのか?

ハッキリ言ってビートルズだったら幸運でしょう(笑)。

さぞや珍しいレコードをたくさんお持ちのレコードコレクターの方々、こんなのって、それほど珍しいことではないんでしょうか。

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2006年4月25日 (火)

ペイルファウンテンズ「パシフィックストリート」 美しいほど瑞々しいネオ・アコ定番

Pacific_street_1 久しぶりに何気なく聴いてみたんですけど、心が洗われるっていうか、何か忘れかけてた感覚を思い出したような気持ちにさせてくれます。

84年に発表されたペイルファウンテンズ「パシフィックストリート」はアズテックカメラの「ハイランドハードレイン」と共にネオ・アコースティックを代表する定番中の定番アルバム。
個人的にはここにプリファブスプラウトの「スティーブマックイーン」を加え、

ネオ・アコ3大アルバムと呼びたい!

っていうか、もうすでに勝手に呼んでいる(笑)。

とはいうもののこの私、80年代の第二次ブリティッシュインヴェンションをリアルタイムで体験していながら、このバンドのことは、正直あまり記憶にありませんでした。
のちにある日ネオ・アコ関連の本をめくっていたら、このアルバムが大々的に取り上げられていて、

「あれっ、こんな凄いバンドいたっけ?」

と思いつつ、ずっと気になっていたところ、現行のCDがリマスターで発売されたのを機会にようやく耳にすることとなりました。

それにしても、何度聴いても新鮮なこの響き、なんて瑞々しいんだろう。
トランペットやパーカッションをうまく取り入れながら、ソウル、ボサノヴァなど幅広いジャンルからの影響を感じさせるアレンジは、お洒落で結構カラッとしているのだが、そこへマイケルヘッドのボーカルが絡むとグッと切なく、何かこう、胸をギュッと締めつけられるようなやるせなさを醸し出します。

ところで私のような英語がさっぱりの洋楽リスナーっていうのは、大抵、歌詞の意味も分からずにサウンドに惹かれて聴いているわけですが、それでも意外と伝わってくるものがあるものですよね。
もっとも時にはタイトルと音の雰囲気から

「きっとこんなことを歌っているのかな・・・。」

なんて勝手に想像していた内容が、日本語訳詞を読んでみたら全然違ってたってことはよくあるんですけど・・・。
しかし聴く者に何かを必死で訴えようとしているかのようなマイケルヘッドの歌声は美しいほど哀しく、気持ちがヘコんでいるときなんかに聴くと、泣けてきそうです。

ですが、このアルバム、ジャケットのイメージでやや損をしていると言ったら

「お前は何も分かっていないんだから。」

と賢明なファンから怒られますか。
だって音を聴く以前の時点で手に取ったこのジャケット写真から、この美しいサウンドは、イマジネーション乏しい私には、なかなか想像できません(笑)。

現行の日本CDでは、オリジナル収録曲11曲に、10曲のボーナストラックが加えられ、ほとんど別物みたいな状態になってますね(笑)。

ボーナストラックに関しては、よくその是非を問う声を聞きますが、私的には大いに歓迎のクチ。
どちらかというとアルバムよりも曲単位で聴くタイプなので、たとえばシングルでしか発売されていない曲などがボーナストラックで収録されていると、その曲だけ選曲して楽しむという聴き方も出来て、それはそれなりにうれしい。
このCDの場合も、絶対的な名曲「サンキュー」が収録されたことで、よりいっそうネオ・アコ最重要盤の1枚としての価値を不動のものにしていると思われます。
「ボーナストラックはオリジナルアルバムのフォーマットが崩れるから要らない。」
という向きの方は、聴きたい曲だけそのようにプログラムして聴いてください(笑)。

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2006年4月17日 (月)

懐かしレコード聴いてみました。

「馬券を当ててレコードプレイヤーを買うぞ!」

なんて言ってたんですが、ちょっとした暇が出来たスキに買って来ちゃいました、レコードプレイヤー。
どうせこの何年かはCDだけで過ごしてきたので、
「まあ、そのうちに・・・」
程度に考えていたのですが、競馬でプレイヤー資金が捻出されるのを待っていても、いつになるか分からないので・・・(笑)、なんて、まあ、そういう訳でもないんですが。

私は別にオーディオマニアでもないので、そんなに高級品はいらないんです。
大手家電ショップのオーディオコーナーの片隅に(ホント片隅でした)ひっそりと並べられていた、どうってことのないプレイヤー。
たしかに今まで使っていたものより、かなり機能は劣るようですが、これで十分です。

さっそく家に買って帰り、いつも使っているコンポに接続して、兎にも角にもレコードが聴ける環境が出来上がりました。
そうなると、やっぱり何か音を鳴らしてみたくなるじゃないですか
それで実家から運び込んでおいた、レコードが入った段ボール箱を、押入れから引っ張り出してみました。

自分が持っていたレコードを改めて見直してみると、アルバムに混じって、80年代に流行った12インチシングルが何枚かですが、あるんですね。
考えてみると、こういうのも中にはCD化されていないものもあって、ある意味、貴重ですが、ちょっと試し聴きするにはアルバムよりも手軽なので、いくつか聴いてみました。

My_ever_changing_moods_2 まず手始めにスタイルカウンシル「マイエヴァーチェンジングムーズ」から。
歯切れの良いギターのカッティングが
気持ちイイーっ。
この曲はMTVでも盛んに放映され、スタ・カンの名を広く一般にも知らしめることになった、大出世ヒットシングル。

もちろん通常シングル盤も発売されていましたが、そのあとに出たアルバム「カフェブリュ」に収録されたのは、ジャズっぽいアレンジのスローバージョン。
正直ちょっとガッカリしていたところ、輸入盤屋でこの12インチを発見し、飛びついて買ったものでしたが、その後すぐに日本でも発売され(まあ、当然ですけど)、「なあーんだ」

ってのはよくあることですね。
それでもこの曲は、この12インチ・ロングバージョンが一番であるのは間違いないところで、この意見に賛同していただける方は多いはず。

Lets_go_all_the_way_2 お次はコレなんですが、輸入盤にありがちなレーベル部分をくりぬいた真っ黒なジャケットにディスクが無造作に突っ込まれてるだけのレコードなので、ジャケ写の画像Upしても意味ないんですが、一応こんな感じ。

スライフォックス「レッツゴーオールザウェイ」という一発ヒットを覚えていらっしゃいますか。(って、誰に聞いてんでしょうね?・笑)

「ジャm、ジャm、ジギ、ジギ」、「ジャm、ジャm、ジギ、ジギ」

というサンプリングボイスの刻むリズムが印象的な痛快ダンスナンバー。
プレイヤーを買ったら、ぜひとも聴きたかったレコードが、この曲の12インチシングル盤。
いや、このレコードが聴きたくてプレイヤーを買ったといっても過言ではありません!(ホンマかいな・笑)

このレコードは買った当時すごく気に入って、よく聴いていたのですが、その後CDで買いなおしたくて探したものの、なかなか見つからなかったんです。
ある日ようやく「80’s」のコンピレーションCDに入っているのを見つけ、狂喜して買ったのはいいのですが、そこに収録されているのは、当然ながら通常のシングルバージョン。
12インチバージョンを聴き慣れていた私にとっては、早々とフェイドアウトしていくのが、どうも物足りなく感じてしまいました。
それとさっきのスタ・カンでは気が付かなかったのですが、この曲ではレコードのほうが音に深みがあって、この私でもCDとの音の違いが分かります。

Spinning_toehold_2 ここで数少ない7インチシングルの中から、自分で持っていたことさえ忘れかけていた懐かしい涙モノのレコードを発見。

それがクリエイション「スピニングトーホールド」。
ジャケットのイラストにも描かれているように、プロレスラー兄弟、ドリーファンクJrとテリーファンクのザ・ファンクスの入場テーマ曲です。
昔、全日本プロレスで繰りひろげられていた「世界最強タッグ決定戦」を思い出します。

アブドーラザブッチャー
が繰り出す「フォーク」!!「五寸釘」!?での凶器攻撃に傷だらけになりながら、不屈の闘志を燃やしたドリーとテリーの「テキサス魂(ブロンコ)」に胸を熱くしたものでした。

このレコード、クリエイションというより、ザ・ファンクスが好きで買ったわけですが、今この歳になって冷静な耳で改めて聴いてみると、これが凄まじいほどの緊張感にあふれた素晴らしい演奏。
さすがは当時、日本を代表するギタリスト竹田和夫、まさにプロレスの熱気や緊迫感をそのままパッケージしたような迫真のプレイに、

シビれます!!


ちなみにB面は「スピニングトーホールド№2」

「そのまんまやないか!」

などと侮ってはいけません(笑)。
私の記憶では、この2曲が同時収録されたアルバムは当時なかったはずで、この2曲を一緒に楽しめるのは、このシングル盤だけだという、これぞ最強のカップリングなのでした。

こうして何曲か聴いてみただけでも、楽しくなってきます。
聴けなかったレコードが聴けるようになったってことは、ほとんど新しいレコードをまとめて買ってきたようなものですから、これでしばらくは楽しめますねえ。
聴きたかったあれやこれやのアルバムも、これから少しずつ・・・あー、楽しみですぅ。

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2006年4月12日 (水)

オールマンブラザーズバンド「フィルモアイーストライブ」 古いけど新しい、今もなお斬新なブルーズ。

At_fillmore_east えーと、このアルバムのオリジナルリリースはいつでしたっけ?
1971年とはずいぶんと昔のことですねえ。
しかし35年も前なのに全然古臭さを感じません。

オールマンブラザーズバンド「フィルモアイーストライブ」はLPレコード2枚組という当時としては画期的だったフォーマットで発売され大ヒット、いまだに大傑作ロックライブアルバムとして聴き継がれています。

聴いてみればなるほど、いまの時代に聴いても凄いですね。
音楽的ルーツは古くからあるブルースを土台にしながらも、鋭角的に切れ込んでくるサウンドは当時でもかなり斬新なものだったのではないでしょうか。
それとも、いま聴くから新しいのか、いずれにせよ今もなお輝きを失っていないのは確かです。

現在ではCD2枚組の「アットフィルモアイースト・デラックスエディション」として収録曲も大幅に拡大され、コンサートのほぼ全貌を体感できますが、このテンションで長時間聴きとおすのは、けっこう体力が必要かも(笑)。

なにせオープニング1曲めから強烈ですから。
デュアンオールマンディッキーベッツのツインリードの白熱した掛け合いがいきなり炸裂。
誰がこの勢いを止められるというのですか(笑)。

実際に音を聴くまではオールマンブラザーズバンドというと、サザンロック、ブルースロックなどといった言葉から連想される、もっと土臭さを感じるバンドだと思っていました。
あまりにも有名なデレク&ドミノス「レイラ」でのデュアンオールマンの快演ぐらいしか、ほとんど知らなかったこともあって、「レイラ」のようなアメリカ南部の土臭いロックをやるイメージを持っていたんです。
ところが聴いてみると、なんだか洗練されていて、これって今で言うフュージョンってやつじゃないですか?
特に名曲「エリザベスリードの追憶」を聴いていると

「あれ、どっかで聴いたことあるような・・・」

と、しばらく考えていましたが、聴きようによっちゃ高中正義の初期の決定的名演「トロピックバーズ」にそっくりじゃあーりませんか。
それに「ストーミーマンディ」はブルースのスタンダードですが、この曲のオリジナルのT・ボーンウォーカーという人も、そもそもモダンでジャジーなブルースを得意としていた人で、そういうレパートリーも違和感なく溶け込んでいます。

当時はまだフュージョンなんていう言葉はもちろんなかったし(当然クロスオーバーという言葉もなかった)、ジャンルという枠で括ろうとすると、便宜上、サザンロック、ブルースロックになっていただけという、やや強引な想像もしますがどうでしょう。

現在では若手注目ギタリストでスライドギターの名手デレクトラックスがリードギタリストとして参加していますが、彼のリーダーバンド、デレクトラックスバンドでブルースを基本としたミクスチャーサウンドを展開している彼がグループに招かれたのは、彼がドラムスのブッチトラックスの息子だからという理由だけではないようだと、納得させられます。

でもやっぱり最大の聞き物はなんといっても、今は亡きデュアンの

縦横無尽に宙を舞うスライドギターの切れ味。

もうひとりのギタリスト、ディッキーベッツやボーカルのグレッグオールマンには悪いけれど、ずっとデュアンのソロを続けてくれよと、ついつい思ってしまうのです。

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2006年4月 4日 (火)

ボブディラン「ブートレッグシリーズVol1-3」 エネルギー溢れる若きディランの生々しさ。

Bootleg_series_13 ボブディランといえば、それまでベスト盤ぐらいしか聴いたことがなかった私が、数多くのアルバムを本格的に聴きはじめたのは、それほど昔のことではありません。
そしてその魅力に触れるきっかけとなったのが、「ブートレッグシリーズVol1-3」という未発表発掘音源集。

今から3年前に病気のために2度、手術をして、そのたびに1か月弱の入院を経験したのですが、その最初の入院の数日前、まだ自分自身の病気のことなど予想もしていなかったときに、たまたまある本で紹介されていた「ブートレッグシリーズVol1-3」に興味を持ち、その3枚組CDアルバムを買ってみました。
買ってはみたものの3枚組だけに収録時間も長く、あまり聴く暇もなかったのですが、それからしばらくして急に入院することになり、それでその3枚組CDを病院に持っていって、ベッドの上でよく聴いていたわけです。

病気はちょっと心配なものでしたが、病院の先生からは
「手術さえすれば、また普通の生活に戻れるから。」
という説明を受けていたので、決してそんなに落ち込んでいたわけではなく、
「なるようにしかならないんだから、どうにでもなれ・・・」
という、ある意味で楽観的ではあるけれど、自分自身ではどうすることも出来ないため、これからどうすればいいのかという気持ちの焦点が定まらずに、ボンヤリ、ユラユラした気分でした。
なんだか若くして隠居になってしまったようでした(笑)。

この3枚組は未発表作品集という性質上、仕上げ途上の未完成テイクも多く、製作過程のピュアな生々しさがヒシヒシと伝わってきます。
特に初期の音源が収められているディスク1はギターとハーモニカによる弾き語りがほとんどで、がむしゃらに音楽を創りあげようとするエネルギーに溢れた若きディランの素朴な歌唱は、私の胸の奥にじんわりと忍び寄ってきて、そこで置いてきぼりを食って途方にくれていた私の心を嘲笑っているかのように響いてきました。
そんな歌声に静かなる衝撃を覚えながらも、ベッドの上でボンヤリしているしかない私は、ただただ彼の声を聴きつづけていたのです。

いまでもこのCDを聴くと、そのときの感情が蘇ってくるような気がして、ちょっと切なくなります。

ディスク2、3にも有名曲の未発表バージョンが数多く収録され、3拍子の「ライクアローリングストーン」や、ジョージハリスンとの競演による「イフノットフォーユー」などは歴史的に価値のある録音と言えるでしょう。
ただ個人的に興味深かったのは、ロンウッドに提供した「セブンデイズ」のディラン本人バージョン。
この曲の作者であるディラン自身が、曲を完成させるための、いいアイデアが思い浮かばないので、

「とりあえずレゲエ調に料理してみました」

的に曲を持て余している様子がありあり(笑)。
逆に言えば、やや単調なこの曲をグレイトなロックチューンに仕立て上げたロンウッドは素晴らしい。

このアルバム、最近はたまにしか聴いていませんが、やはりディスク1のインパクトが強かったため、いまでもディランは
アコースティックなサウンドのほうが断然好きです。

普段ディランのアルバムでわりとよく聴くのは、初期の重要作「フリーホイーリン」「時代は変る」や、瑞々しさが溢れる70年代の傑作「血の轍」などです。
やはりこちらが私的にはベストかな。
それと若かりし日のディランの意外なキャラに触れられ、いつ聴いても新鮮に楽しめる「ブートレッグシリーズVol6 アットフィルハーモニックホール」痛快です。

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2006年3月21日 (火)

TOTO「ターンバック」 ヤングミュージックショーで見たジェフポーカロ、カッコよ過ぎ!!

turn_back TOTO「ターンバック」っていうアルバム、ちょっと軽く見られすぎてると思うんですけど。
手抜きしたかのようなジャケットのせいですか。(まさか(笑)!)
それにしてももっと売れて欲しかったアルバムです。

TOTOのいちばん良かったときって、やっぱり初代ボーカリストのボビーキンボールが一時脱退するまでの初期4作じゃないですか。
その4枚のアルバムのなかでは、残念ながら一般的にやや評価が低いのがサードアルバムの「ターンバック」ですよね。
でもその評価はあくまで
「TOTOにしては・・・」
とか
「初期4枚のなかでは・・・」
ということに過ぎないとは思うんですけど・・・。
でも私的にはこのアルバム、大好きです。

「ホールドザライン」という軽快なロックチューンで登場して以来、私自身がTOTOというグループをあくまでハードでポップなロックバンドとして捉えていたので、世間では高い評価を得たセカンドの「ハイドラ」でのプログレッシブな変化は、私にとってはあまり歓迎できるものではありませんでした。

しかしその次に出てきたのが、今度はハードなロックサウンドを前面に押し出したこの「ターンバック」でした。
はじめて聴いたときに、1曲目のイントロの抜群の切れ味に、ガツーんと衝撃を受け、

「そう!こういうのを待っていたのだ!」

って感じで、鳥肌が立ったもんです。
このアルバムがもっと売れていたら、もう少しこの路線でやって欲しかったんだけどなあ。

しかし私がこのアルバムに肩入れする本当の理由は「グッバイエリノア」が入っているから、それに尽きるかもしれません。

このアルバムが発表されたころギター雑誌にコピー譜が掲載されたりして、この曲はギター少年のあこがれの曲だったのです。
かくいう私もこの曲のコピーに挑戦して、イントロのリフを

「ジャ、ジャ~~ン」 「ジャ、ジャ~~ン」

と鳴らしてスティーブルカサーになりきったのも束の間、すぐにギターソロのところで玉砕、挫折してしまったのでした。

この曲はたしかシングルでもカットされていて、もう少しヒットしても良さそうなものだったと思うのですが、ロック少年には支持されても、一般のヒットチャートには向かなかったのかもしれません。

その後’82年の二度目の来日公演の模様がNHKの「ヤングミュージックショー」で放映されました。
はじめはもちろんスティーブルカサーのギタープレイに注目して観ていたのですが、ライブが進行するにつれて熱さを増すジェフポーカロのドラムスが非常にカッコよく見えてきて、

「この人、見掛けによらず渋いプレイするじゃん。」

などと、まだその時はそれまでにもセッションプレイヤーとして数多くの名演を残してきたジェフの偉大さも知らずにのたまった私。
そして確信を持ったのでした。

「TOTOのハードなグルーヴはジェフが作り出しているものなのだ。」

と・・・。

そしてそれ以来ずっとジェフは私がもっとも敬愛するドラマーということになっています。
できればその時の映像がDVDとして正規に発売されてくれるとうれしいのですが、今のところは公式発売されているパリでのライブで、ジェフの雄姿を偲びたいと思います。

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2006年3月10日 (金)

アナログレコードが聴きたいけれど、レコードプレイヤーがオシャカで・・・。

アナログのレコードって、CDが急速に普及されてきたときには、なくなってしまうんじゃないかと思ったりしたもんですが、今でもけっこう人気あるんですね。
私がちょくちょく顔を出す行きつけのCD屋さんでも、中古のアナログ盤が堂々と店舗の一角を占めていますし、レジのカウンターにはちゃんとレコード針もかなりの種類、並んでいます。

the_capitol_albums_vol12004年に出た4枚組CDBOX「The Capitol Albums Vol.1」は、おそらくCD化されることはないだろうと思われていたアメリカ編集盤がステレオ/モノラル両バージョンで収録され、それぞれの違いを聞き比べるなど、個人的にはかなり楽しませてもらいました。
ビートルズの場合、現行のCDではモノラルで統一されているアルバムも、レコードではステレオで楽しめたり、そもそも未だにCD化されていない編集盤もあるので、アナログレコードもまだまだ捨てたもんじゃありません。
もっともマニアの方にとっては音質の違いこそがアナログにこだわる最大の理由なのでありましょうが、それほどオーディオマニアでもない私にとっても、ビートルズに限らず現在CDで入手困難なアルバムはレコードで聴くしかないわけで、そういうアルバムを何枚か所有していると、思い出したように聴いてみたくなってしまうこともやはりあるわけで・・・。

かくして、ずっと長いこと実家の押入れに預かってもらっているアナログレコードを、今の自宅に復活させるべく、計画は実行に移されたのでした。
いきなり段ボールに入れられた全てのレコードを運び出すまえに、まずは使われていなかったレコードプレイヤーだけを持ち出し、ちゃんと動くかどうか確かめてみることに。
もちろん試験用のレコードも一枚だけ持ってきました。
わくわくしながらプレイヤーを箱から出し、いつも使っているコンポに接続します。
そしてスイッチを入れてみましたが、あきらかに見るからに
回転スピードが遅い
それでももしやと思い、持ってきたレコードをターンテーブルに乗せてまわしてみましたが、やっぱりテンポが遅くて聴けたもんじゃない。

当たり前か!!

何年か前にも一度、どうしても聴きたいレコードがあって、プレイヤーをまわしたことはあるのですが、そのときはちゃんと聴けたはずです。
しばらくの間、原因を探ったり、あれこれ試してみましたが、解決には至らず、今回の計画はひとまず失敗に終わってしまいました。

そうなるとかえって余計にアナログ盤が聴きたくなってきました。
仕方がないのでプレイヤーを買いなおすことも考えていますが、ここ数年のアナログ盤ブームもあるので、家電品屋さんに行けば、安価なものなら1~2万円で手に入るのではないでしょうか。

こうなったら週末の競馬に望みを託したいと思いますが、この結末やいかに。

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2006年3月 8日 (水)

「ホテルカリフォルニア」を再現するギター職人はいい人だぁ。

farewell_1_tour イーグルスの再結成ライブDVD「フェアウェルツアー」は、買うのを少し迷ったので、通販サイトに書き込まれているレビューを参考にしてみました。

するとそこには
「ドンフェルダーが参加していないから・・・」とか
「ライブの熱気に欠けているから・・・」とか
あまりよろしくない評価がチラホラ・・・。

たしかにドンフェルダーのいない「ホテルカリフォルニア」なんて、ジョージハリスンのいないビートルズが「ホワイルマイギタージェントリーウィープス」を演奏するようなものだよなあ・・・。

「おいおい、そのギターは クラプトンやろ!!」
という冷静なツッコミはこの際おいといて・・・。

そのあとに見つけたのが、
「迷っているなら”買い”です!!」
というコメント。

その言葉に後押しされた私は、ついに決心し、そそくさとDVDを買いに出かけたのでした。

結論からいうと、先のコメントを書いてくれた人に

大・感・謝!!

です。

たしかにドンフェルダーがいないのは、この作品最大の欠点だと思っていましたが、サポートメンバーのスチュアートスミス(私はこの人をこれまでまったく知りませんでした。)が、その穴を見事に埋め、絶大な貢献をしています。
「ホテルカリフォルニア」の歴史的ツインギターは、私のような往年のギターフリークでなくても口ずさめてしまう人は多いと思いますが、元々イーグルスのメンバであるジョーウォルシュが多少、弾き崩しているのに対し、彼は自分の立場を十分理解して、オリジナルのギターフレーズをほぼ完璧にコピーし、忠実に再現してくれているのはうれしい限りです。

彼にしてみればプロの仕事をプロとして黙々とこなしているだけなのかも知れませんが、見ているこちらとしては思わず

「あぁ~、この人、いい人だあ~。」

と救われた気分になってしまうのです。

全体的な印象として、彼だけでなくメンバー全員が、過去の名曲を大事にていねいに演奏しようとしている感じが伝わってきます。
ただし、そのことがかえって熱気の乏しさという評価につながっているのかもしれませんね。

しかしそんなコンサートの中にあって、抜群にノリのいい演奏をしているのは何といってもジョーウォルシュでしょう。
彼の活躍がこのライブを見ごたえのあるものにしていると言っても過言ではありません。
前半こそスーツで渋く決めて、わりとお行儀よくしていますが、ディスク2にはいると、ラフな服装に身を包み、アクセル全開で弾き倒してくれます
ギター好きの私としてはメチャクチャ気持ちよく、実はディスク2だけを何度も繰り返して観てしまいました。

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2006年2月21日 (火)

チープトリック「天国の罠」 青春のヘビーローテーション

heaven_tonightティーンエイジャーの頃、我が家のターンテーブルをヘビーローテーションともいうべき稼働率で、一時期占領していたのが、
チープトリックのサードアルバム「天国の罠」

まだそれほど何枚もアルバムを持っていなかった頃なのでなおさらのことでした。
学生時代に少ないお小遣いのなかでどれを買うか、考えに考えて買った数少ないレコードの中の、特に気に入ったアルバムを何度も何度も聴き返した経験はおそらく誰にでもあることでしょうね。

このアルバムの魅力はアナログ盤でいうところのA面を構成する前半5曲のたたみかけるような流れ。
特に冒頭の3曲で彼らのペースに引き込まれ、そのまま最後まで一気に聴いてしまう。
いきなり1曲目「サレンダー」キラキラきらめくイントロからして強力。
個人的に一番好きな2曲目「オントップオブザワールド」では湧き上がる情熱を淡々と押し殺しながらも押さえきれずにつんのめるような抜群のドライブ感を出し、3曲目「カリフォルニアマン」で思いっきりはじける

この曲はムーヴのカヴァーなのですが、チープトリック・バージョンを先に聴いたせいか、こちらのほうがオリジナルではないかと思えるほど、彼らのサウンドとして消化されていて耳にしっくり馴染みます。
ハードだけどあか抜けているんですね。

そんなわけでお気に入りの一枚だったのですが、ある日友人に頼まれてこのレコードをしばらくのあいだ貸したことがあります。
彼もこのアルバムがすごく気に入って、返す日までほとんどターンテーブルに乗せっぱなしで聴いていたそうです。
しかしどういう聴き方をしていたのか、どんなレコード針で聴いていたのか、数日後に私の元へ返ってきたときにはチリチリ、ザラザラと初めから終わりまでノイズだらけの音になってしまっていました。

それでもめげずに、そのレコードをずっと聴きつづけていました。
その友人もこのアルバムが好きになってくれて、とても文句が言えなかったんです。

ところでこのアルバムには発売当時、初回特典としてソノシートが付録に付いていました。
内容は渋谷陽一氏による解説と、当時未発表だったインストルメンタル曲「オーボーイ」が収録されていました。
ちなみにこの曲は現行CDがリマスター化されたときに、セカンドアルバムにボーナストラックとして収録されて、手軽に聴きやすくなったのはうれしいことです。
けれども、ドラムス担当のバーニー・カルロスの手元にはまだまだ多数の未発表音源が所有されているそうです。

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2006年2月14日 (火)

ギターソロのないマイラブって、、。

back_in_the_us ポールマッカートニーの名曲の数々をDVDで観られるといいなと思って、ちょっと探してみました。
できれば「マイラブ」をライブで観たいんですけど。

時期的なことを考えれば、脂もノッて絶好調だった「ウイングス・オーバーアメリカ」の頃のライブがベストであることは間違いないところでしょう。
でもこのときのライブ作品「ロックショウ」は、ビデオでしか発売されていないんですよね。
たしかずっと前に中古屋さんで激安の値段で見かけたことがあったのですが、

「DVDじゃないし、、、。」

と思って買わなかった記憶があります。
それとレコードコレクターズ増刊の「ビートルズ・コンプリートワークス」には、最近のものよりは画質がかなり落ちるという解説もあるので、今回はあきらめます。

以前からポールの代表作として知られている「ゲットバック」でも良かったのですが、これには「マイラブ」は収録されていませんね。
というわけで選んだのが、2002年のライブを収めた「バックインザUSライブ」。
うまいことに肝心の「マイラブ」もしっかり収録されていて、うん、これは期待できそうです。

でもちょっと心配だったのは、当時、還暦を迎え体力も衰えているであろうポールが、どんなパフォーマンスを見せてくれているのかということでした。
しかしオープニングから予想外にしっかりとした演奏を聞かせてくれていて、ほっと安心。
さすがにウイングスの頃のエネルギーには及ばないものの、いい意味での「ふっきれ感」みたいなものが感じられて清清しいですね。

ただいつも思うんですけど、ポールのライブ作品って、CDにしろDVDにしろ、ビートルズの曲が多数収録されているのが売りになっていたりしますよね。
だけど個人的にはビートルズの曲が聴きたければビートルズのCDを聴けばいいと思っているので、ポールのソロ作品ではビートルズ解散後、特にウイングス時代の曲を思いっきりプレイしているのが聴きたいと思うのは私だけでしょうか。
実際、「バックインザUSライブ」の中でも「ジェット」や「バンドオンザラン」などが特に楽しめました。
この時代の曲を聴くとワクワクしてきますね。

そうこうするうちにいよいよお目当ての「マイラブ」へ突入。
期待たっぷりで見ていたのですが,なんとこれがワンコーラス半のショートバージョン!

「えっ、うそ。もう終わり!?」

「だって間奏のギターソロで、ぐっと盛り上がると思ったのに、、、」

期待して観ていたぶん、かなりテンション下がっちゃいました。
結局、見終わった後でCD「レッドローズスピードウェイ」を引っ張り出してきて「マイラブ」の聴きなおし。
やっぱりヘンリーマッカロクの泣きのギターがこの曲には欠かせません。

ただし最後にフォローしておくと、今回のライブDVDは、作品自体は悪くなかったです。
というよりなかなか楽しめたのは事実です。
部屋でのんびり力を抜いて楽しむにはちょうどいいです。

 

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