トム・ペティ「フルムーン・フィーバー」
トム・ペティ&ハートブレイカーズといえばアメリカでは確固たる地位と人気を誇るバンドとして厚い支持を得ていますが、グループを率いるトムが、初めてソロ名義で出したアルバムが「フルムーンフィーバー」。
プロデューサーとしてジェフ・リンを迎えていることからも、ある程度「売れ線」を意識したのかどうかは分かりませんが、少なくともハートブレイカーズでのサウンドとは一味違った仕上りとなっています。
バックの演奏が全体にまろやかな印象を受けるのは、ジェフ・リン効果でしょう。
ソロアルバムだから当然かも知れませんが、トムのボーカルが際立っており、私としてはこのアルバムは、グループ名義のものより気に入っています。
男の私が聴いても、かなり色っぽい歌い方をする人だなと思わせるトム・ペティ。
シングルにもなった「アイウォントバックダウン」での、余裕すら感じさせる渋いボーカルもGoodですが、彼の表現力が遺憾なく発揮されているのが、アルバムの中では、どちらかというと地味な存在の「フェイスインザクラウド」。
淡々とした曲調ながら、哀愁を帯びたボーカルが、映画を観ているようなドラマチックな世界を展開していきます。
まるで架空のプロモビデオが頭の中に思い浮かぶようです。
ところでこのアルバムは1989年のリリースなので、すでにCD時代の作品なのですが、あたかもアナログ盤のA面、B面に分かれているような構成になっていますね。
そしてB面の1曲目にあたるのがバーズのカバー「すっきりしたぜ」です。
そもそもバーズというグループは、イギリスのビートルズに対するアメリカからの回答とも言われますが、そのバーズの曲をビートルズフリークとしても知られるジェフ・リンがプロデュースして・・・。
そう考えると、この曲以降のアルバム後半には、ビートルズの影を感じずにはいられません。
それらの曲はまさに「アメリカ発マージービート」って趣きなんですよねえ。
その辺にこのアルバムのコンセプトが見えて来ますし、このアルバムがハートブレイカーズを離れ、初のソロ作品となったことは、そういう意味でも必然だったのでしょう。
元々、トム&ジェフがこのアルバムについて打ち合わせしているところへジョージ・ハリスンがやって来たのが「トラヴェリングウィルベリーズ」結成のきっかけになったとのことで、リリースの順こそこちらが後になりましたが、このアルバムが「トラヴェリング・・・」の元ネタとなっているようですね。
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コメント
じんぺい様こんばんは。
コメント入れる前に、ネットで調べたのですが、トム・ぺティ、アメリカでは凄く売れてるんですね。
今年のもので「Highway Companion」というアルバムがビルボードで最高4位!。
じんぺい様が紹介されている、このアルバムは最高位が3位!
なにより今も現役だったのにも驚かされましたが。
80年代、MTVで見かけたことはあったのですが、「なんだか地味そうだな!」と、それだけで聴き込むことが無かったアーティストの一人だったりします。
なんとなく、泥くさそうなイメージもあったような。
「ダイアー・ストレイツ」をカッチョイイと思える今なら、楽しめそうですね・・・?
単純にイメージの問題でしたので(笑)。
案外、スプリングスティーンよりも全然POPかな~?
などと、申し訳ありません。全然、今回の記事のコメントになっておりません・・・
とりあえず、レンタル行ってみます。
投稿: よっちゃん | 2006年12月14日 (木) 23時23分
よっちゃんさん、よく調べてくださって、ありがとうございます。
このアルバム、全米3位ですか・・そんなに売れたとは・・・知りませんでした(爆)。
POP度という点では、このアルバムは、トムの作品の中でも異色と言えるほどPOPだと思います。
おそらくジェフリンの影響でしょうけど、私はこのソロのほうが好きですね。
一方、プロデューサーが替わったソロ第二弾「ワイルドフラワーズ」は硬派で、それはそれでまたカッコイイです。
投稿: じんぺい | 2006年12月15日 (金) 21時25分