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2006年12月14日 (木)

トム・ペティ「フルムーン・フィーバー」

Full_moon_fever トム・ペティ&ハートブレイカーズといえばアメリカでは確固たる地位と人気を誇るバンドとして厚い支持を得ていますが、グループを率いるトムが、初めてソロ名義で出したアルバムが「フルムーンフィーバー」。

プロデューサーとしてジェフ・リンを迎えていることからも、ある程度「売れ線」を意識したのかどうかは分かりませんが、少なくともハートブレイカーズでのサウンドとは一味違った仕上りとなっています。

バックの演奏が全体にまろやかな印象を受けるのは、ジェフ・リン効果でしょう。
ソロアルバムだから当然かも知れませんが、トムのボーカルが際立っており、私としてはこのアルバムは、グループ名義のものより気に入っています。

男の私が聴いても、かなり色っぽい歌い方をする人だなと思わせるトム・ペティ。
シングルにもなった「アイウォントバックダウン」での、余裕すら感じさせる渋いボーカルもGoodですが、彼の表現力が遺憾なく発揮されているのが、アルバムの中では、どちらかというと地味な存在の「フェイスインザクラウド」。

淡々とした曲調ながら、哀愁を帯びたボーカルが、映画を観ているようなドラマチックな世界を展開していきます。
まるで架空のプロモビデオが頭の中に思い浮かぶようです。

ところでこのアルバムは1989年のリリースなので、すでにCD時代の作品なのですが、あたかもアナログ盤のA面、B面に分かれているような構成になっていますね。
そしてB面の1曲目にあたるのがバーズのカバー「すっきりしたぜ」です。

そもそもバーズというグループは、イギリスのビートルズに対するアメリカからの回答とも言われますが、そのバーズの曲をビートルズフリークとしても知られるジェフ・リンがプロデュースして・・・。

そう考えると、この曲以降のアルバム後半には、ビートルズの影を感じずにはいられません。
それらの曲はまさに「アメリカ発マージービート」って趣きなんですよねえ。
その辺にこのアルバムのコンセプトが見えて来ますし、このアルバムがハートブレイカーズを離れ、初のソロ作品となったことは、そういう意味でも必然だったのでしょう。

元々、トム&ジェフがこのアルバムについて打ち合わせしているところへジョージ・ハリスンがやって来たのが「トラヴェリングウィルベリーズ」結成のきっかけになったとのことで、リリースの順こそこちらが後になりましたが、このアルバムが「トラヴェリング・・・」の元ネタとなっているようですね。

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