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2006年7月26日 (水)

エリックカルメン「チェンジオブハート」 幸せな気分にひたれる極上ポップス

Change_of_heart 日本盤CDのパッケージにかけられているいる”帯”(CDの場合もこう呼ぶんでしたっけ?)には

「こんなにいいのにと思わず溜息・・・」

のコピーが。
つまりは発売当時それぐらい売れなかったということを物語っているわけで・・・。

しかしながら「極上のポップス」という賛辞は、ありふれてはいるけれども、このエリックカルメン「チェンジオブハート」にピッタリの形容だと断言してしまいましょう。

全9曲、時間にして30分ばかりのボリュームの薄さを責めてはいけません(笑)。
そのぶん捨て曲なし、ぎっしりと濃縮された至福の時間にどっぷりひたれます。

壮大なスケールを感じさせるサウンドで作り上げたものの、セールス的にはいまひとつだった前作から一転して、徹底したポップサウンドで貫かれたこの作品は、今思えばコンポーザーとしての彼のひとつの到達点だったかもしれません。
売れるべくして作られた、彼自身にとってもおそらく自信作だったはずです。

私自身は、エリックカルメンはラズベリーズを解散してソロになってから好きで、よく聴いていましたが、その頃から曲のなかにクラシック的要素を取り入れ、音楽に幅を出すことに成功しています。
このアルバムでもオープニングとラストにクラシック風小品のインストルメンタルとボーカル入りをそれぞれ据えて、最後の曲を聴いたあとで、また最初から聴きたくなってしまうという古典的な仕掛けが施され(笑)、トータルアルバムとしての体裁を借りていますね。

サポートミュージシャンも、なかなか豪華なゲストを集めています。
デヴィッド・ペイチ、ラス・カンケル、バートン・カミングス、ダニー・コーチマー、リッチー・ズィトー、サマンサ・サング、ヴァレリー・カーターetc・・・
私の大好きなドラマー、ジェフ・ポーカロも参加していることは、長いこと気がつきませんでした。

ところで、このアルバムが発売されたのとおなじ頃、ロッドステュワートが「スーパースターはブロンドがお好き」というちょっとケバいタイトルのアルバムをリリースしていたんです。
それでどちらを買おうか、しばし迷った当時の少年(私です)は、なけなしのお小遣いをはたいてロッドのアルバムを買ったのでした。
理由はわりと単純なことで、ちょうどその数日前にNHK-FMでこのアルバム「チェンジオブハート」の特集がオンエアされて(考えようによってはそのことのほうが凄い!)、アルバムのほぼ全曲をカセットテープにエアチェックしていたから。
まがりなりにもカセットで聴ける曲をレコードで買いなおすという行為は、当時の少年(これも私です)にとっては相当な決断を要することだったのです。
逆に言えば、それでもレコードを買おうか迷ったぐらい、ここで聴かれるサウンドは当時の少年(やっぱりこれも私です)にとって魅力的なものでした。
その結果、その日からしばらくはレコードでロッドを聴き、カセットでエリックを聴く忙しき日々・・・。

そのうちにこのアルバム自体、お店で見かけることもなくなってしまいましたが、この作品こそ彼の最高傑作であるという思いは、ずっと変わることはありませんでした。
そして実際にこのアルバムを買ったのは、ようやくCD化されたのをショップで発見してからだったのです。

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